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〜子どもたちの詩から見えてくるもの〜

　子どもたちの目から見た，親。時代によって，変わっていくのでしょうか？　変わっていかないのでしょうか？
ここでは，かつてわたしが受け持った子どもたちの詩をご紹介します。お父さん，お母さんをテーマに書いた詩です。

　　　おひるね
　　　　　　　　　　　　　　　２年　てらぞのかつや

ぼくは，ゆうがたひるねをしました。
「なんだかあたたかいなー。」
とおもっておきてみたら，ぼくの上に，もうふがかかっていました。ぼくが，
「このもうふだれがかけたの。」
ときいたら，おかあさんでした。
きもちいいから，もう一かいねてしまいました。
「ソファーともうふはきもちいいな。」
とおもいました。　　　　　　 （90年）


　　　お母さんのおけしょうのにおい
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　２年　中しまともこ

お母さんにくっついて
おかいものにいった
お母さんのにおいは
おけしょうのにおいでいっぱい
おりょうりしているときも
すこしおけしょうのにおいがする
おけしょうは，お母さんがすきなのかな
お母さんは，おけしょうはあまりすきじゃないから
おけしょう，かわいそう　　　　　　　　　　　（90年）


　　　無題
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　２年　田中こうすけ

もう忘年会のシーズンだ
お父さんもよく出かける
きょうもよっぱらって帰ってくるのかな
子どもも忘年会を開きたいもんだ
「ほんにのう」　　　　　　　　　　　　　　　（90年）


　　　おかあさん
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　２年　川本りょう

ぼくが，おかあさんに
「おかあさんのことかく。」
といったら，おかあさんが
「おかたをもみましょうか。」
とかいろんなことをいいました。
おもしろいおかあさんだなあとおもいました。　（90年）


　　　おかあさんの子ども
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　３年　芹口　好江

おかあさんは
毎日，朝おきると
金魚にえさをあげます
このまえ
おかあさんは言った
「子どもより，
　金魚の方がかわいい」
おかあさんのこどもは金魚だ　　　　　　　　　（91年）


　　おかあさん
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　３年　湯田　健一

ぼくのおかあさん
いつもわらっているけど
本当は
つかれているんだ
いつもわらって
ごまかしているんだ
だからいつもできるだけ
おてつだいをしているつもり
ぼくは
おてつだいカードをあげた
そしたら
すごくよろこんだ
ぼくもとっても
うれしかった　　　　　　　　　　　　　　　　（91年）


　　おとうさんのちんちん
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　３年　鎌田　啓介
おとうさんのちんちんは
ちんげがはえている
それにいちばんさきが
はげている
おとうさんのちんちんは
ぼくのちんちんと
ぜんぜんちがう　　　　　　　　　　　　　　　（91年）


　　おかあさんのたからもの
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　３年　常磐　佳奈子

わたしは
おかあさんのたからもの
わたしも
おかあさんがたからもの
たからものを
なぜおこるのかな？
きらいなのかな？
でも，たからものだから
だいじなもの

おけしょうしても
りょうりをしても
「かなちゃーん」と
かならず「ちゃん」をつける
たからものだからかもしれない
わたしも
「おかあ」とはいわず
ちゃんと「さん」をつける
やっぱり
たからものどうしだからかな　　　　　　　　　（91年）


　　けんか
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　３年　松田　徹

お父さんの名前は，
すえよしです
お母さんの名前は，
はるこです
おとうさんとおかあさんが
けんかするときは
夜がいっぱいです
ぼくは，
おきていたとき，あります
おもしろいです　　　　　　　　　　　　　　　（91年）


　　おとうさん
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　３年　福島　聖史
おとうさんは
早くかえってくるときと
おそくなってくるときがある
アイスをかってくるときがある　　　　　　　　（91年）


　　お父さん
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　３年　野間　俊範

お父さんは
車で家に帰って
おふろにはいって
ごはんをたべおわって
ビールをのみおわって
ねて
またおきて
しごとにいって

おにいちゃんと
あそんだりする日があった　　　　　　　　　　（91年）


　　お父さんは　あまりしごとをしていないかも
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　３年　平田　博人

お父さんは，会社の係長
２年のころ
お父さんの会社を見学するとき
お父さんはテレビを見ていた
それに
会社が終わる時間は
ふつうの人より早い５時だ
ぼくは，
お父さんは，
あまりしごとをしていないんじゃないかなと思う　　　　（91年）

　　お母さんはこわい
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　３年　榎園　剛彦
おかあさんは
いつもうるさい
だってぼくが
ポピーをしようと思ったら
「ポピーやれやれ」
とうるさい
おふろにはいっていたら
「はよあがれ，はよあがれ」
とうるさい　　　　　　　　　　　　　　　　　（91年）


　お母さんのやさしさ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　５年　井川　満

お母さんと昼ねをすると
お母さんのあたたかさがわかる

お母さんのやさしい心が
ぼくたちの元気になる

いつまでも元気でいてね
お母さん　　　　　　　　　　　　　　　　　　（94年）


　　楽しそうなお母さん
　　　　　　　　　　　　　　　　　６年　中木屋寿栄
「ホホホホホ。」
お母さんは，
ビールを飲んでよっぱらっている。
少ししか飲まなくても
お母さんはよっぱらう。
「よっぱらってるね。」
私も，お父さんも，弟も言う。
「私，よってないよ。ホホホホホ。」
こんなときのお母さんを見ると，
「なさけない。」
と私は思う。
でも，いつもは
何でもがんばるお母さんだ。
「気晴らししているのかなあ。」
私はそう思う。
その時のおかあさんは，
とっても楽しそう。
ビールなしでも楽しくさせてあげたい。　　　　（94年）


　　お父さんのとりあい
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　６年　中木屋徳子
私とお母さんは，今
お父さんのとりあいをしている
お父さんが横になってテレビを
見ていると
私が隣にいく
すると，お母さんも横にくる
「お母さんは，あっち行け。」
「徳子こそ，あっち行け。」
私たちは言い争う
私は，お父さんに
「どっちが好き？」
と言う
お父さんは，決まって
「もちろん，徳子よ。」
と言ってくれる
私も，お父さんが大好き
お母さんは
「お母さんと結婚したから，お母さんが好きなはず…」
とぶつぶつ言っている
これからもお父さんのとりあいは，
たえまなく続くかも　　　　　　　　　　　　　　　（94年）